生命を救うことを目的とする治療医学に対し、生命の質に主眼を置き患者様、利用者様の生活を支えることを目的にするのがリハビリテーションです。つまり「どう生きるか」について着目するのがリハビリテーションの概念と言えるでしょう。
理学療法士・作業療法士法が制定されてから約60年、言語聴覚士法からは約25年が経過し、その間、日本のリハビリテーション医療は疾病構造の変化や高齢化を背景に大きく発展しました。我がTMGリハビリテーション部につきましては「心技体で心を救う」をその理念に掲げ現在、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士合わせて1300余名のセラピストを擁する国内でも屈指の組織に成長しました。TMGには高度急性期、回復期から老人保健施設、地域在宅に至るまであらゆる病期に対応した多種多様な施設が各地域に展開され、在籍するセラピストにより各特性に対応した高度で適切なリハビリテーションが提供されています。脳血管、運動器、循環器、呼吸器疾患等に対する急性期リハビリテーションではリスク管理のもと発症直後より医師、看護師等と連携しチームアプローチから早期回復、早期退院を目指します。回復期リハビリテーション施設では手厚いリハビリテーションを集中して行うことでADLの獲得を促し、家庭や社会への早期復帰を支援します。また維持期、生活期のリハビリテーションにおいては疾患やADLのみならずQOLの視点から患者様、利用者様のニーズを第一に捉え、住み慣れた地域への共生を目標にアプローチしています。
昨今、制度改革や経済状況を背景に医療介護の周辺環境の悪化が危惧されていますが、反面我々セラピストは「生活を支える」という特殊性から人々のあらゆるライフステージに関われる多くの機会をもっています。これを踏まえTMGリハビリテーション部は疾患や外傷に対するリハビリテーションのみならず、健康増進、介護予防、スポーツ、ウィメンズ・メンズヘルスケア、自費によるリハビリテーションなど、10年、20年先のリハビリテーションの在り方を見据え準備を進めております。つまりTMGリハビリテーション部は今後、そのスケールメリットを生かしあらゆる分野でセラピストが力を発揮していく可能性を秘めているといえます。またTMGリハビリテーション部は昨今叫ばれる「ダイバーシティ」「働き方改革」の考え方をいち早く取り入れ、すべてのセラピストがワークライフバランスのもと満足できる職場環境の構築にも取り組んでいます。
近年みられる医療・介護の高度専門化、社会の多様化に対応し、より質の高いリハビリテーションサービスを患者様、利用者様へ提供してくためには知識や技術の研鑽に限らず、より高い人間性と社会性を身に着けることが重要です。このように専門性と社会性を両立させる人材育成をおこなう上で、TMGのもつスケールは大変有効であると自負しております。今後もTMGリハビリテーション部は人材育成から地域社会へ貢献を目指し活動を継続して参りますのでご理解、御協力の程宜しくお願い申し上げます。
戸田中央メディカルケアグループ リハビリテーション部 部長 小澤 伸治