訪問リハビリテーション事業所匠では、去る2021年1月17日よりオンラインにて開催された「第29回埼玉県理学療法学会」にて、生活期の一般演題発表を行う機会がございました。
演題名は「系列グループ内の訪問リハビリテーション事業所らにおけるCOVID-19感染防護の取り組みについて」です。
昨年から猛威を奮い始めたCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関する感染防護体制について、戸田中央医科グループに属する訪問リハ事業所を対象にアンケート調査を実施し、その統計結果を発表させて頂きました。
結果として、
●TMGに所属する26箇所の訪問リハ事業所の感染防護に関する普遍的データが取れました。これにより訪問リハ特有の対策を取ることが出来るようになりました。
●2020年4月から4ヶ月間に渡るアンケートの度に感染防護への意識が改善し、方向性も統一してきました。
●とくに利用者のご家族様へ、感染対策の依頼がしにくい状況が散見されていました。
●COVID-19について加筆された感染対策マニュアルの作成を促すことが出来ました。
●発表を終えた現在も毎月アンケート調査を実施しています。
入院中ではその対象患者さんのみの管理が通常ですが、訪問リハの対象者となる利用者様は、ご家族と同居している方が比較的多い傾向にあります。
もちろんCOVID-19が流行する前からも、スタンダードプリコーション(標準的感染予防策)を徹底していた訳ですが、COVID-19流行時の2020年は皆様も記憶にある通り、「未知の」対策に翻弄されてしまった年でもあります。
セラピスト自身と利用者様への感染防護をしっかりと行いつつ、同居ご家族様への説明と同意もこれまで以上に丁寧に行わなくてはならなくなりました。
利用者様、患者さん、ご家族様、しいては地域社会に「安心と安全」を提供することも医療従事者としての大事な「仕事」であると考えています。
しっかりとした感染対策を続けていくことで思わぬ良事もありました。
利用者様やそのご家族様たちとの信頼関係がこれまで以上に強くなりました。
新型コロナウイルスには一刻も早く立ち去ってもらいたいものですが、危機を通して逆に良い機会にも巡り合えることを知りました。
利用者様もご家族様もセラピストたちも、まさに人と人との「つながり」を実感することができた発表でした。
文責:戸田中央リハビリテーション病院 訪問リハ事業所匠 安藤 功