今年度、新たな取り組みとしてPT部門プチ学会を企画し、10月8日・12月10日の2日間にわたり開催しました。発表者は各疾患別チームをローテーションで回っている後期教育プログラムの対象者(3-4年目のスタッフ)です。
教育プログラムでは疾患別チーム毎に症例報告会を設けていましたが、近年の新型コロナウイルスの影響により密となる環境を避けるべく自粛をしてきました。そこで感染対策を十分に実施し、リハビリテーション科全体で参加できることを目的にこの学会の企画に至りました。全国の学会や地域で開催される症例検討会を参考に、感染面を考慮した当院オリジナルの発表方式となっています。
このプチ学会ですが、単に学会発表を促すためのものではありません。①丁寧に症例やデータを見つめなおす時間を作る、②自分の思考過程をまとめる力、③考えを表出する力、④スタッフと議論する、⑤成長・共育、以上5点を意識し、リハビリテーション科内だけでなく、院内・院外でも活躍できるセラピストを育てることを目的としています。発表する内容は、症例報告や研究だけにとどまらず何でもありの会です。
各チームには教育係と学術係の先輩スタッフがいてプチ学会開催まできめ細かくサポートしてくれます。発表スタッフは最初とても不安そうな顔をする人が多いです。なんでこれをやろうと思ったの?と聞いても「発表しなきゃいけないから」や「○○先輩にいわれたから」といったネガティブな発言をするひとが多いです笑。しかし、プチ学会が近づくにつれて、各々がその意義を答えられたり、自身の考えを表出することが大変上手になるのです。当日は不安そうにそばにいる先輩スタッフをよそに、堂々と聴講者とディスカッションをしていて、こちらの想像以上の成長を遂げます。学会が終わった後の発表者の笑顔はとても印象的です。発表して良かったと言ってもらえ、こちらもうれしい限りです。
近年、リハビリテーション分野では多様な広がりをみせています。学会発表を行うことだけでなく、日々の業務の中で感じたことを大切にし、上記の5点を磨くことで一人前のセラピストになれることを期待し、この会を開催しています。
目指せ!強みをもったセラピスト!!
文責:新座志木中央総合病院 真水 鉄也(理学療法士)