当院では今年度より、NESS社のH200・L300を導入しました。
この機器をご存じでない方も多いかもしれませんが、機能的電気刺激を用いて、H200では手関節背屈・手指伸展・屈曲を補助し、L300では歩行時の足関節背屈を補助する機器となります。
脳血管障害や脊髄損傷に伴う運動麻痺の治療として効果があり、廃用性萎縮の防止、局所血流量の増加、筋再教育、関節可動域の維持または向上が期待されます。
L300においては、ただ足関節を背屈させるだけでなく、下垂足・尖足患者の歩行訓練においては、装具使用せず自身の筋活動をサポートしながら歩行訓練を行うことができるため訓練効果が高く、脳卒中治療ガイドラインでも推奨グレードBに位置付けられています。
当院で使用しているモデルは2022年の最新モデルであり、下腿近位部に取り付ける装置にジャイロセンサーがついており、踵が浮いたことを自動で感知して遊脚期のみ電気刺激を流してくれます。
電気刺激の強度や長さも個別に合わせて細かく設定することができ、患者様からは装具を使用した訓練よりも歩く感覚がつかみやすく、麻痺側下肢筋の機能をサポートしているため、非麻痺側の活動も軽減し、より円滑な歩行訓練が可能となります。
歩行のデータは患者ごとに蓄積することができるため、訓練効果を可視化することができ、患者様へのフィードバックや歩行分析にも活用できます。
当院では、徒手療法に加え、装具や物理療法機器を積極的に活用しながら、患者様の早期機能回復に向けたリハビリテーションを提供しています。
現在、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を募集していますので、興味のある方はぜひ一度見学にいらしてください。
【熱海所記念病院ホームページ】
文責:熱海所記念病院 リハビリテーション科 所属長 宮上純貴