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【HLC横浜】コロナ禍のリハビリで思う事

秋の昼下がりに施設の金木犀の香りがマスクを通して届きました。私は周りに人がいないのを確認して、マスクをずらして深呼吸をしました。

COVIT-19の影響による自粛生活が始まってもうすぐ2年が経過します。この期間で私達の生活は大きく変化しました。マスクを着用しなければならない事、大切な人と会ったり、みんなで集まって楽しく過ごすことが出来なくなった事、他にも色々あります。今まで当たり前だった事が、当たり前ではなくなりました。施設においては大きな楽しみであったはずの家族との面会が出来なくなりました。テレビ電話を利用して顔を見ながら話は出来ますが、直接触れあうことは基本的に出来ません。とある利用者様から私はこう言われました。

 

「私に触れて、こんなに良くしてくれてありがとう。幸せだわ。」

 

その利用者様は自分では歩くことができず、食事も胃ろうで摂取しており、食事の楽しみもありません。ご家族との面会は非常に大きな楽しみだったと思います。そんなささやか楽しみもCOVIT-19の影響で出来なくなってしまいました。私たち職員にとっては多数の利用者様の1人かもしれませんが、この利用者様にとって私はしっかりとコミュニケーションをとることが出来る貴重な存在の一人にもなっていると思います。最後はいつも、このやりとりで終わります。

 

「また来てね。」

「また来ますね。」

 

感染対策などもあり時間に追われて忙しい中ですが、こんなにも私たちとのリハビリを楽しみにしてくれている利用者様がいる事を忘れないでいようと思います。利用者様としっかりと向き合い、いつか大切なご家族と笑って触れ合える日が来るまで、少しでも利用者様が健やかに過ごせるお手伝いをしていきたいと思います。

 

文責:ヒューマンライフケア横浜 リハビリテーション科 田中 優

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