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作業療法士とは

作業療法士として働く 『どんなところで働くの?』

目次
1.作業療法士とは
2.4つの分野って?
3.各分野ではどのような仕事をするのか
4.まとめ

1. 作業療法士とは

作業療法士とは、心身に障害を持つ方に対して、「こころ」と「からだ」のリハビリテーションを行う専門職です。
着替えやトイレなどのセルフケアから、家事や仕事、趣味まで日常のあらゆる活動を通じてリハビリを行う「作業療法」を通して、患者さんが、その人らしくイキイキと自立した生活を送れるようサポートします。
具体的には、食事や入浴、料理など、日常生活に必要な応用的動作の訓練を行うほか、社会参加・復帰を目的とした精神面のケアなどを行います。

 

2. 作業療法士の4つの領域

 

 

 

「作業療法士」と一括りにしても、担当する分野によって実は役割が違います。作業療法は、4つの領域(身体障害領域・精神障害領域・発達障害領域・老年期障害領域)に分かれています。 各領域で対象者や働く場所に違いがあり、領域別または仕事内容を紹介していきます。

 

3. 各領域と仕事内容

 

 

身体障害領域

病気やけが、事故などの後遺症で運動機能が低下したり、体に麻痺が残り、日常生活・社会生活に支障のある人を対象とした領域です。作業療法士は子どもから高齢者まで、幅広い年齢層の患者の治療を行います。脳卒中や骨折、高次脳機能障害(脳の機能に対して生ずる日常生活を送る上で高度な機能障害)、呼吸器や癌など、作業療法の知識とともに、医学的な知識が必要となるのが身体障害領域です。

【身体障害領域の作業療法士】

 就職先
・一般病院、大学病院、総合病院、整形外科病院
・身体障害者福祉センター、リハビリテーションセンター
・保健所、保健センター
対象となる患者
対象としては骨折などによって身体に障害のある方や脳の障害よって麻痺があ る方など、様々な症状の方にリハビリを行います。
主な仕事内容
さまざまな疾患により運動機能の低下や日常生活および社会生活に支障を抱えた方を対象に治療を行います。病気や障害により、寝返りや立つことなどの基本動作や、家事などの応用的な動作が困難になった方に対して、動作練習や環境調整などを行います。そして、その人らしい生活が送れるように支援を行います。

身体領域で役立つ資格

また、患者が回復した後の生活支援や環境調整も、作業療法士の重要な業務です。「福祉住環境コーディネーター」や「シーティング・コンサルタント」などの資格を取得すると、より患者の生活に寄り添ったサポートが可能になるでしょう。

精神障害領域

統合失調症や認知症などの精神障害により、日常生活に支障のある人を対象とする領域です。身体障害領域と同様に、作業療法士は幅広い年齢層の患者の治療を行います。

【精神障害領域の作業療法士】

就職先
・精神科病院、精神科デイケア、メンタルクリニック
・精神障害者支援センター、精神保健福祉センター
・精神障害通所授産施設
対象となる患者
精神障害領域の作業療法は、統合失調症・うつ病・認知症・知的障害・自閉症などの方を対象にしています。

主な仕事内容
気分の落ち込みや落ち着かないなどの心の状態異常をヒアリングしながら、その人に合った運動や制作活動、実際の生活動作などの作業計画を検討します。患者さんのできる作業を増やしていくことで、自信回復のお手伝いをします。 また、心の状態と上手く付き合う方法やその人が過ごしやすい環境を考え、社会とのつながりを「作業」を通じて作り上げます。
精神領域で役立つ資格
患者の心の状態に応じたリハビリテーションやサポートが求められ、対人関係に問題を抱える人の場合は、社会性を身に付けるための訓練が必要になります。そのため、「社会生活技能訓練(SST=ソーシャルスキルトレーニング)」などのスキルを習得しておくと、いろいろな場面で役立つでしょう。近年はメンタルケアを必要とする人が増加傾向にあるため、今後ますます作業療法士の活躍が求められる領域になるでしょう。

老年期障害領域

 

 

 

 

加齢にともなう身体機能・認知機能などの低下により、日常生活や社会参加に支障をきたしている高齢者(65歳以上)を対象とする領域です。
老年期障害領域は、高齢化社会が急速に進行する日本において非常に重要な領域。

【老年期障害領域の作業療法士】

就職先

・認知症を診療する一般病院、総合病院
・訪問看護ステーション、在宅介護支援センター
・介護老人保健施設、特別養護老人ホーム
対象となる患者
・加齢にともない認知機能や身体機能が低下した人
・認知症や脳の損傷により高次脳機能障害を抱える人
・社会参加に支障がある人
主な仕事内容
日常生活活動の改善や病気やけがへの予防的アプローチを行い日常生活の自立や安定を目指した生活環境整備のサポートなどを行います。日常生活の自立を目指すことはもちろんですが、その人が長年築いてきた考え方などを大切にし、その人らしい生活が送れるようにサポートしていきます。
老年期領域で役立つ資格
老年期障害領域の作業療法士は、認知症患者のケアも行います。「認知症ケア専
門士」の資格を取得すると、患者だけでなくその家族のサポートにも役立つでし
ょう。

発達障害領域

 

 

 

生まれながらの疾患や障害(脳性まひ・自閉症など)をもつ、主に子供を対象にリハビリを行います。発達障害領域では、それぞれの障害に応じた訓練やサポートが必要です。そのため、作業療法の知識だけでなく、自閉症や発達障害などの医学的知識も身に付けておく必要があります。

【発達障害領域の作業療法士】

就職先
・一般病院や総合病院の小児科
・児童福祉施設、特別支援学校、保育所、母子通園施設
・発達障害児支援センター、障害者更生施設
対象となる患者
・自閉症の人
・知的障害、学習障害、軽度発達障害の人
・脳性まひの人
主な仕事内容
運動麻痺や学習能力、社会性など、心身の発達を妨げるような障害がある子供たちに対し、日常に必要な動作の練習や心理面においてコミュニケーションのサポートを行います。また、ご家族へのサポートも同時に行っていきます。

4. まとめ

作業療法士は、リハビリテーションの専門職の中でも「心」と「からだ」療法を治療できる唯一の専門家です。
作業療法士という職業の中でも様々な分野・領域があり、対象となる疾患や仕事内容も違います。
しかし、患者様をどのように良くしていくか、その人の生活を考えサポートしていく作業を行うことはどの領域でも同じです。

活躍の場が広いからこそ、ひとつの領域を極めることも可能であり、様々な領域を経験し働きながらステップアップを図ることも可能なため、自分らしい働き方が行えると思います。

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TMG(戸田中央メディカルケアグループ)は1都4県下に病院と6つの介護老人保健施設のほかクリニック、健診センター、訪問看護ステーションなど合計120の関連事業所を展開しています。教育体制やキャリア支援に力を入れている当グループで一緒に働いてみませんか。

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