2021年1月17日に開催された埼玉県理学療法士学会にて、「前立腺癌に対するロボット支援前立腺全摘出術後患者における術後尿失禁遷延化のリスク因子の検討」という表題にて発表させていただきました。
当院では泌尿器科のDrと協力し、2016年7月よりロボット支援前立腺全摘出術(以下、RARP)後患者に対する理学療法士による骨盤底筋リハビリを行っており、男性の骨盤底筋リハビリに関しては先駆け的な取り組みをしております。
RARPでは前立腺を摘出する際、骨盤底筋群が少なからず損傷される影響で術後尿失禁が高確率で出現します。
術後尿失禁が早期に改善する症例がいる一方、術後尿失禁が遷延する症例もいらっしゃるため、尿失禁遷延化のリスク因子を分析しました。
今回の結果では、術前の前立腺肥大症状が強く、また術後早期から失禁量が多く、過活動膀胱の症状が強い症例は、術後尿失禁が遷延化する傾向にあることを認めました。
その為、同症状を認める症例に関しては、積極的に理学療法士が関わり、骨盤底筋収縮力の強化に努める必要性が示唆されました。
本内容に関しては論文投稿もしております。
当院骨盤底筋チームメンバーみんなでデータ収集をし、泌尿器科Drの指導を仰ぎながら作成し、論文採択まで約3年の歳月を要しました。
筆頭著者は当院の骨盤底筋チームのリーダーである関係長で、日本老年泌尿器科学会誌Vol.34 No.2に掲載予定となっておりますので、こちらもご覧いただけると嬉しいです。
文責:戸田中央総合病院 理学療法士 眞島圭佑