2021年12月に発刊された日本老年泌尿器科学会誌第34巻2号に原著論文が掲載されました。
タイトルは「理学療法士によるリハビリテーション介入を行ったロボット支援前立腺全摘除術後患者の下部尿路症状」という内容になります。
当院では泌尿器科のDrと協力し、2016年7月よりロボット支援前立腺全摘出術(以下、RARP)後患者に対する理学療法士による骨盤底筋リハビリを行っており、男性の骨盤底筋リハビリに関しては先駆け的な取り組みをしております。
RARPでは前立腺を摘出する際、骨盤底筋群が少なからず損傷される影響で術後尿失禁が高確率で出現します。
その為、紙パンツ及びパッドの使用が必要となり、日常生活で常にトイレを意識しなければならない生活となるためQOLが著明に低下します。
リハビリの関わりでは、骨盤底筋の機能回復を通して早期尿失禁改善を一番の目的に介入しています
。また、紙パンツやパッドの使用方法など患者さんの不安になり得ることを、親身に話を聞き対応方法を提案することでQOLの改善へアプローチしております。
今回の論文は、当院骨盤底筋チームメンバーみんなでデータ収集をし、泌尿器科Dr.の指導を仰ぎながら作成し、論文採択まで約3年の歳月を要しました。
論文作成は大変ですが、自分たちの行ってきたことが証明されるものです。是非論文検索をしていただき、内容も見ていただけたら幸いです。
文責:戸田中央総合病院 理学療法士 関 正利